2歳の息子のトイレトレーニングを始めた頃、思うように進まなくて悩んだ時期がありました。
「おしっこやうんちが出そう」という感覚はあるようで、自分からおむつを脱ぐことはできるのです。
ところが、いざトイレに行こうとすると、なぜか怖がって中に入ってくれませんでした。
親としては、なんとか“トイレ=怖い場所”というイメージをなくしたくて、いろいろ工夫しました。
私が先にトイレへ入って「大丈夫だよ、怖くないよ」と声をかけてみたり、壁にシールを貼って少しでも楽しい空間に見えるようにしたり。
けれど、息子の警戒心はなかなか強く、入り口までは来ても、その先に足を踏み入れてくれなかったのです。
トイレトレーニングは順調に進む子もいれば、場所そのものへの恐怖心が壁になる子もいるのだと、その時初めて実感しました。
忘れられない出来事もあります。
ある日も、いつものようにトイレの前で「入ろう」「いやだ」のやり取りをしていたところ、突然息子がリビングへ走っていきました。
そして、そのままうんこ座りの体勢に。
「これはまずい!」と思った私は、あわてて洗面器を取りにお風呂場へ走ったのですが、戻ってきた時にはすでに遅く、リビングの真ん中に立つ息子の隣には、見事なうんちがひとつ。
息子はそのうんちを指さして「あーあ」とひと言。
私は思わず「こっちが“あーあ”だよ……」と返してしまい、その時の何とも言えない脱力感は今でもよく覚えています。
もちろん、その後も失敗は何度もありました。
順調な日もあれば、振り出しに戻ったように感じる日もある。
トイレトレーニングは、親の思う通りに一直線では進まないのですね。
それでも少しずつ経験を重ねる中で、息子は補助便座を使ってトイレで排泄できるようになっていきました。
今では、うんちはほとんどトイレでしてくれるようになり、ひとまず大きな山を越えたように感じています。
まだ夜のおねしょとはしばらく付き合うことになりそうですが、「昨日までできなかったことが、今日は当たり前のようにできるようになる」という成長の力には驚かされます。
トイレトレーニングは大変で、親の忍耐も試されます。
それでも、失敗をくり返しながら少しずつ自分でできることを増やしていく姿を見ると、うれしさと同時に、少しだけさみしさも感じませんか。
こうして子どもは、ある日ふっと親の手を離れていくのだろうなと、トイレの前での攻防を思い出しながらしみじみ感じています。